この記事は、2026年11月2日に、私のAmazon(FBA)の在庫を、AI(Claude Code)と一緒に Amazon の本物の数字で調べた記録です。数字はすべて、Amazon が出している表から取ったものです。
【使用条件】
AIの実行環境:CodexまたはClaude Codeを使える有料環境が必要です。いずれか一方で構いません。本記事で紹介する運用の前提です。
Amazon側の準備:自分のFBA在庫があり、SP-API(Amazonのデータをプログラムで取得する公式の仕組み)で、在庫・保管料・返送の履歴と手数料の見積もりを取得できる接続・認可が必要です。
パソコン側の準備:Python 3とrequestsライブラリ、在庫を読むプログラムとその依存部品を導入します。スキルの説明ファイルを置くだけでは動きません。認証情報は安全な設定ファイルで管理し、記事やチャットに貼らないでください。
費用と操作範囲:AIの利用料と、Amazon側の利用・販売にかかる費用は別です。このスキルはデータの取得と判断材料の整理に使い、廃棄・返送・値段の変更は実行しません。
この動画(約8分)では、当店の数字を使って、残数・売れ行き・保管の負担の並べ方を説明します。
ここからは、同じ内容を表と画像で確かめます。
🙋 こんな人に向けた記事です

たとえば、こんなせどらーさんです(ほぼ私です)。
- 安く買えたときに、まとめて何十個も仕入れて FBA(Amazonの倉庫に預けて売るしくみ)へ送る
- 売れているから大丈夫、と倉庫の中身をあまり見ていない
- 「長期保管料」という言葉は知っているけど、自分がいくら払っているかは知らない
- 安い商品が、いつのまにか手数料より安い値段で売れていたことがある
このタイプを、この記事では 「積みすぎせどらー」 と呼びます。
読み終わると、次の3つが分かります。
- 倉庫に長く置くと、どれくらいお金が出ていくのか(本物の数字で)
- 「捨てる・返送する・値下げする・そのまま売り切る」のどれが損が少ないかの比べ方
- それを毎週ひとことで調べてくれるスキル「在庫ヘルスチェック」でできることと、使うための条件
💸 何が起きたか:250円の商品に、手数料285円の表示

ある日、アプリに「売れました」の知らせが来ました。1年近く売れていなかった、レイメイ藤井のポップクリップ(250円)です。

画面には、値段250円に対して、手数料285円と表示されていました。この表示額で計算すると、250円 − 285円 = マイナス35円。仕入れ値91円を含めればマイナス126円です。これは画面の表示額による試算で、この注文の最終的な入金・請求を照合した数字ではありません。
同じ画面では、値段を自動調整する設定の「赤字ストッパー」が 0円 になっていました。私は、売れたことだけで安心せず、値段と手数料、設定を一緒に確認する必要に気づきました。価格が下がった経緯のすべてを、この1枚だけで断定することはできません。
「これ、捨てたほうがいいの?」と AI に聞いたところから、話が大きくなりました。
🔍 倉庫の中を、本物の数字で見てみた

Amazon は、出品者向けに「在庫の健全性」の表を出しています。倉庫にある商品ごとに、何日置いているか・90日で何個売れたか・来月いくらかかりそうかが載っています。
AI にこの表を読ませると、在庫のある25商品のうち、半年(180日)をこえて置いている物が5つありました。
| 商品 | 値段 | 在庫 | 90日で売れた数 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| ポップクリップ | 250円 | 2個 | 1個 | 💸 売るたびに持ち出し |
| 子ども用のアームリング | 500円 | 9個 | 0個 | 🔴 売れていない |
| ガジェットポーチ | 1,580円 | 48個 | 45個 | 🟡 売れているが上乗せ料あり |
| レゴ(小さいセット) | 1,400円 | 7個 | 19個 | 🟡 売れているが上乗せ料あり |
| iPhoneケース | 478円 | 8個 | 26個 | 🟡 売れているが上乗せ料あり |
ここまでは「安い商品は気をつけよう」という話に見えます。ところが、本当に大きかったのは別のところでした。
🕰️ 本当の穴:1年で 62,936円の「上乗せ料」

Amazon の倉庫は、長く置いた商品に、ふつうの保管料とは別の料金を上乗せします。毎月15日ごろに、その日まだ倉庫にある物にかかります。
11月2日に取得した過去1年分の請求の表を集計すると、長期在庫追加手数料は合わせて62,936円。約8割が、たった2つの商品でした。以下は当店の取得表の集計で、すべての出品者に共通する料金ではありません。
- ガジェットポーチ:38,027円
- レゴの小さいセット:12,589円
どちらも「売れている商品」です。売れ行きは悪くないのに、一度にたくさん仕入れすぎて、売り切る前に1年をこえていたのです。
ポーチは、8月・9月・10月の3か月だけで、こう引かれていました。
| 請求された月 | 対象の数 | 上乗せ料 |
|---|---|---|
| 8月 | 88個 | 9,062円 |
| 9月 | 72個 | 7,415円 |
| 10月 | 58個 | 5,973円 |
当店のポーチでは、1年をこえた時期の負担が大きかった
当店のポーチの請求を、1個あたりに割り戻した記録です。時期・数量・日数区分の影響を含むため、現在の公式料金表の代わりには使えません。
| 倉庫に置いた日数 | 1個の上乗せ料(1か月) |
|---|---|
| 271日〜 | 50円 |
| 301日〜 | 52.6円 |
| 331日〜 | 54.4円 |
| 365日〜 | 103円 |
ふつうの保管料は、ポーチ1個で月に約9円(9月の請求)。一方、上の記録では1年をこえた区分の追加分が約103円でした。同じ在庫でも、通常の保管料だけを見ていると負担を見落とします。
料金の注意:対象日数・商品の大きさ・適用時期などで条件が変わります。この事例の「約103円」や「約9円」を別の商品へそのまま当てはめず、自分の最新レポートと公式案内で確かめてください。Amazon公式:FBAの料金と追加手数料
⚖️ 捨てる?返す?値下げ?そのまま売る?の比べ方

社長(私)が AI に聞いたのは、この4つでした。答えは商品ごとにちがいます。
① 売るたびに持ち出し(ポップクリップ)→ 捨てる
表示額で計算すると1個あたり35円の持ち出しで、取得表では90日で1個の販売でした。私は残り2個の廃棄(所有権の放棄)を依頼し、11月2日に受付まで確認しました。倉庫での廃棄完了や今回の手数料は、まだ未確認です。
捨て方の画面は、こちらの記事で紹介しています。

② 売れていない(アームリング)→ 手放す候補
90日で1個も売れていませんでした。こちらも残り9個を11月2日に廃棄依頼し、受付まで確認しました。実行したことと、損が最小だったと検証できたことは別です。今回の請求実額を、あとから確かめます。
③ 売れているが上乗せ料がかかる(ポーチ)→ そのまま売り切る
ここが一番迷うところです。数字で比べます。
返送して、もう一度倉庫へ送り直す案
- 返送の手数料:1個60円(このポーチを前に返送したときの、実際の額)
- 送り直す送料:1個150円と仮置きした見積もり(実際の送料ではない)
- この2項目だけなら 1個約210円。梱包・作業・追加費用は別
送り直せば保管日数や追加手数料がリセットされるかは未確認です。返送費を払うだけで追加料金を避けられるとは扱わず、この案を節約策として勧めることはできません。
このまま売り切る場合
- 90日で45個という実績を月15個と見ると、残り48個は 約3.2か月分。同じペースが続く仮定であり、売り切れる保証ではない
- 追加料金は、その後の残数と対象日数で変わる。すべての商品に3か月分かかるわけでも、必ず3か月で終わるわけでもない
返送・送り直しの効果を確認できていないため、単純な差し引きだけで有利とは決めませんでした。
値下げ(1,580円 → 1,000円)する場合
- 1個あたり 580円 下がる
- 値下げ後の売れ行きとAmazon手数料も変わるため、580円と保管料だけの比較では最終利益は決まらない
当時の私は、大幅な値下げをせずこのまま売り切る方針を選びました。これは当店の判断で、将来の損得が確定した結果ではありません。毎週、残数・販売数・次回の追加料金を見て判断し直します。
比べ方のコツ:残る在庫数と売れ行きの仮定、今後の保管料、返送・廃棄の手数料、送料、値下げ後の受取額、作業の負担を並べます。実績・見積もり・未確認を分け、効果を確認できない案を「節約できる」と決めつけません。
🧰 スキル「在庫ヘルスチェック」でできること

この調べものを、毎回 AI に1から頼むのは大変です。そこで、ひとことで同じ調べ方ができるスキルにしました。
「@在庫ヘルスチェック」や「これ捨てたほうがいいの?」と言うだけで、AI が次のことをします。
| できること | 中身 |
|---|---|
| 💸 売るたびに持ち出しの商品を見つける | いまの値段から、Amazon の手数料の見積もりを引いて、マイナスの商品を出す |
| 🔴 売れていない商品を見つける | 半年をこえて残り、90日で1個以下しか売れていない商品 |
| 🟡 上乗せ料がかかっている商品を見つける | 1年近く・1年こえの在庫と、来月の上乗せ料の見込み |
| 💴 この1年に払った上乗せ料を出す | Amazon の請求の表から、商品ごとに合計 |
| 📦 返送の手数料の実額を出す | 前に返送したときの、1個あたりの本当の額 |
| ⚖️ 次に検討する案を出す | 捨てる・返送・値下げ・売り切るの材料を並べる。予測や未確認条件は分け、利益を保証しない |
- 読むだけです。廃棄・返送・値段の変更は、AI はしません(ボタンを押すのは自分)
- 毎週1回実行し、結果を確認する運用なら、長く残る在庫を定期的に見直せます。スキルを入れるだけで自動の定期実行が始まるわけではありません
🔧 使うための条件

導入の【使用条件】にある準備を、もう少し具体的に説明します。
1. Claude Code か Codex を使える有料環境がある
このスキルは、Claude Code(Anthropic のAI)でも Codex(OpenAI のAI)でも使えます。本記事では、いずれか一方を有料で利用できる環境を前提にしています。パソコン上で在庫確認用のプログラムを動かせる準備も必要です。
- Claude Code:
/zaiko-health、または「@在庫ヘルスチェック」 - Codex:
$zaiko-health、または「@在庫ヘルスチェックスキル」
今回のスキルは、パソコンでPythonの処理を実行する構成です。ブラウザのチャットへ説明文を貼るだけでは、この構成は動きません。
2. Amazon の SP-API を使える
SP-API は、Amazon が出品者向けに用意した正式な入口です。ここから在庫や請求の表を読みます。お店のページをこっそり覗きに行くやり方(スクレイピング)ではありません。
必要なもの:
- 自分のセラーセントラルで、開発者の登録とアプリの登録が済んでいる
- 鍵(クライアントID・シークレット・リフレッシュトークン)を、パソコンの中の
.envという鍵のファイルに入れてある - 利用する在庫・請求レポートと手数料見積もりの各処理に必要な権限がある(役割の名前だけで判断せず、実際の処理と公式の要件を照合する)
社内版は、在庫確認プログラムから別の接続用部品も読み込みます。スキルの説明ファイルだけをコピーしても動かず、配布用一式を別環境で導入できるかは、この記事の時点では未検証です。
⚠️ 鍵は、記事やチャットに絶対に貼らないでください。AI にも中身を見せず、ファイルの場所だけを伝えます。
3. FBA で売っている
このスキルは Amazon の倉庫(FBA)の在庫を見ます。自己発送だけの人は、倉庫の上乗せ料がかからないので、出番はほとんどありません。
✅ まとめ:積みすぎせどらーへ

- 「売れているから大丈夫」が一番あぶない。売れていても、仕入れすぎれば1年をこえて上乗せ料がつく
- 当店の過去1年分の取得表では、追加手数料は62,936円。商品ごとに見ると、見直す場所が分かった
- 捨てる・返す・値下げ・売り切るは、「避けられる上乗せ料」とくらべて決める。感覚で決めない
- 毎週1回、倉庫の健康診断をすれば、穴は小さいうちにふさげる
まずは自分の在庫で、残数・売れ行き・追加手数料を並べてみてください。スキルは判断材料を集める助けで、処分を勝手に決める代わりではありません。廃棄すると決めたあとの操作は、関連の「FBA在庫の廃棄のやり方」で画面を見ながら確認できます。

倉庫に届いた在庫が、売れる状態にならないまま止まっているときの問い合わせ手順は、こちらの記事で紹介しています。








