Amazonの自己発送をしていると、アカウント健全性に出てくる「追跡可能率(VTR)」が気になりますよね。
95%という数字は見えても、何を数えているのか、1件悪くなるとどうなるのか、どこを直せばよいのかが分かりにくい指標です。
先に、いちばん大事なことを3つに絞ります。
① 追跡可能率は、荷物が届いた割合ではありません。対象となる梱包のうち、Amazonが有効と確認できた追跡情報の割合です。
② 日本の出品者は、梱包ごとの注文金額が税抜1,000円以上・配送料込みの荷物が計算対象です。注文単位ではなく、出荷通知で登録する梱包単位で見られます。
③ 95%未満になったら、まずレポートを開きます。配送会社名・お問い合わせ伝票番号・通知のタイミング・配送会社のスキャンを1件ずつ確認します。
この記事では、2026年9月5日にセラーセントラルへログインして確認したAmazon公式ヘルプをもとに、自己発送の追跡可能率をやさしく整理します。
※この記事は日本から発送する出品者向けです。中国から日本へ発送する場合は、計算対象やスキャン要件が異なります。
追跡可能率(VTR)は「配達できた率」ではありません

追跡可能率は、英語でValid Tracking Rate、略してVTRと呼ばれます。
Amazon公式では、出品者が注文に対して有効なお問い合わせ伝票番号を使用している割合を測る指標と説明されています。
ここで混同しやすいのが、配達完了率や期日内配送率との違いです。
| 指標 | 見ているもの |
|---|---|
| 追跡可能率(VTR) | Amazonが有効と確認できる追跡情報が付いた梱包の割合 |
| 配達完了 | 荷物が購入者へ届いたか |
| 期日内配送 | 約束したお届け予定日までに届いたか |
つまり、実際には届いていても、配送会社名やお問い合わせ伝票番号が正しく連携されていなければ、VTRでは有効と認識されないことがあります。
反対に、追跡番号を入力しただけで必ず有効になるわけでもありません。Amazonが配送会社から追跡スキャンを受け取れることまで必要です。
VTRは、次の単位で計算されます。
- 対象期間は特定の30日間
- 商品カテゴリーごと
- 注文ではなく、出荷通知で登録する梱包ごと
- 表示されるのは不備のないデータを確認できる約10日前の指標
直近で発送方法を改善しても、数字がすぐに動かないことがあります。今日の操作だけを見て慌てず、レポートの対象期間も一緒に確認すると分かりやすいです。
日本の出品者は「梱包ごと税抜1,000円以上」が計算対象です

日本の出品者について、Amazon公式は次の荷物をVTRの計算対象としています。
梱包ごとの注文金額が税抜1,000円以上で、配送料を含む荷物
ここで大事なのは「注文合計」ではなく「梱包ごと」という点です。
| 例 | VTRの見方 |
|---|---|
| 税抜900円の商品+税抜換算200円の配送料を1箱で発送 | 配送料込みで税抜1,100円になるため対象 |
| 税抜1,800円の注文を900円ずつ2箱に分けて発送 | 梱包ごとに判断するため、各箱の金額配分を出荷通知画面で確認 |
| 税抜1,500円の商品2個を1箱へ同梱 | 1つの梱包として対象 |
2つ目の例のように、複数個口は商品の割り当て方によって表示が変わります。実際の対象判定は、追跡可能率レポートの「荷物の価額」で確認してください。
なお、税抜1,000円未満がVTRの計算対象外だからといって、追跡情報を雑に入力してよいという意味ではありません。
Amazonは別の仕組みとして、Amazonが追跡できる配送会社の追跡可能なサービスを使う場合、金額にかかわらず有効なお問い合わせ伝票番号を求めています。
「VTRの計算対象」と「出荷通知で追跡番号が必要か」は、同じ話ではありません。ここを分けて考えると迷いにくくなります。
自己発送そのものの手順を先に確認したい方は、こちらの記事もどうぞ。

95%はこう計算します|20梱包なら1件まで

計算式はシンプルです。
有効なお問い合わせ伝票番号付きの梱包数 ÷ 出荷通知された対象梱包数 × 100
たとえば、VTRの対象となる梱包が20個あり、そのうち19個の追跡情報が有効だった場合は次の計算です。
19 ÷ 20 × 100 = 95%
20個のうち2個が無効になると、18 ÷ 20で90%です。
| 対象梱包数 | 95%以上を保てる無効件数の目安 |
|---|---|
| 10梱包 | 0件 |
| 20梱包 | 1件 |
| 40梱包 | 2件 |
| 100梱包 | 5件 |
※上の表は計算による目安です。端数が出る母数では、95%以上になるかを1件ずつ計算してください。
Amazon公式は、特定の30日間でカテゴリーごとのVTRが95%未満になると、そのカテゴリーで出品者出荷の出品資格が停止される場合があると案内しています。
アカウント全体が即停止すると決めつける必要はありません。ただし、母数が少ないカテゴリーでは1件の影響が大きいため、警告が出たら後回しにしない方が安心です。
追跡番号が無効になる主な原因は5つです

荷物が届いているのに、追跡可能率レポートで「有効な追跡情報なし」と表示されることがあります。
Amazon公式FAQが案内している主な原因を、実務向けに並べます。
1.お問い合わせ伝票番号の入力が違う
ハイフンを入れず、半角英数字で入力します。
配送会社が想定する桁数や形式と合わない番号は、Invalid IDになることがあります。
2.配送会社名の選択が違う
たとえば、実際には日本郵便なのに別の配送会社を選ぶと、番号が正しくても未確認の追跡情報になります。
ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便など、出荷通知画面のドロップダウンにある正式な配送会社名を選びます。
3.同じお問い合わせ伝票番号を別の荷物にも使った
Amazonは、有効で一意のお問い合わせ伝票番号を求めています。
1箱に1番号です。別の梱包へ同じ番号を使い回すと、重複として受け付けられないことがあります。
4.出荷通知が遅すぎた
Amazon公式は、配送会社の集荷から4時間以内に出荷通知を送るよう案内しています。
荷物が到着した後に番号を入れても、購入者が追跡に使えなかったため、VTRで有効にならないことがあります。
ポストへ投函する場合も、取集時刻から4時間以内が目安です。
5.配送会社のスキャンがAmazonへ届いていない
配送会社のサイトでは追跡できても、Amazonへ有効なスキャンが連携されていないと無効になる場合があります。
Amazonの現行ヘルプでは、税抜1,000円以上・配送料込みの荷物について、少なくとも2回のスキャンがあり、その中に配送完了または不在による持ち戻りが含まれる、配達完了まで追跡できる方法を案内しています。
番号の入力だけで安心せず、実際に最初の受付スキャンが付いたかも確認しておくと安全です。
配送ラベルを集荷前日に発行したときの表示トラブルは、こちらでまとめています。

複数個口は「1梱包=1つの追跡番号」で登録します

1件の注文を2箱、3箱と分けて発送するときは、箱ごとに追跡番号が必要です。
Amazon公式の出荷通知画面では「梱包情報を追加」を押し、各梱包に入れる商品数を割り当てます。
そのうえで、梱包ごとに次の情報を入力します。
- 出荷日
- 配送会社
- 配送サービス
- 発送元住所
- その箱に付いたお問い合わせ伝票番号
たとえば2箱なら、実物の箱は2つ、配送ラベルは2枚、追跡番号も2つです。
VTRも梱包単位で見られるため、1箱目だけ正しく登録して2箱目を空欄にする、2箱とも同じ番号を入れる、という処理は避けます。
実際のセラーセントラルで複数個口のラベルを作る手順はこちらです。

箱数とラベル枚数の基本だけ確認したい方はこちらが分かりやすいです。

VTRレポートの見方と、間違った追跡番号の直し方

数字が下がったときは、推測で出荷通知を何度も触るのではなく、先にレポートで原因を特定します。
追跡可能率を確認する場所
- セラーセントラルの「アカウント健全性」を開く
- 「出荷パフォーマンス」の詳細を表示する
- 「追跡可能率」を開く
- 対象期間と商品カテゴリーを確認する
- 追跡可能率レポートをリクエストする
レポートでは、少なくとも次の4点を確認します。
| 確認項目 | 「いいえ」なら見るところ |
|---|---|
| 配送会社はAmazon指定か | 出荷通知で選んだ配送会社名 |
| お問い合わせ伝票番号を提供したか | 空欄・入力漏れ・重複 |
| 実際のお届け前に出荷通知したか | 入力した時刻 |
| 配送会社がAmazonへスキャンを提供したか | 配送会社側の受付・配達スキャン |
「有効な追跡情報なし」の列にXがある荷物や、F列にInvalid IDがある荷物から確認すると原因を絞りやすいです。
間違った追跡情報を直す手順
- 「注文管理」で該当注文を開く
- 注文の横にある「出荷情報を編集」を選ぶ
- 右上の「出荷情報を編集」を押す
- 配送会社名とお問い合わせ伝票番号を正しく入れ直す
- 「発送の再確認」を押す
最初の入力直後に修正するときは、システムが情報を取得できるよう5分以上待ってから更新します。
修正は、できるだけ早く行います。Amazon公式では、お届け予定日を過ぎると追跡情報を変更できないと案内されています。
また、変更がVTRの指標に反映されるまで72時間以内かかることがあります。
正しい配送会社と番号を再送信しても直らない場合は、配送会社の追跡画面とVTRレポートの該当行を確認できる状態にして、Amazonテクニカルサポートへ調査を依頼します。
毎回の発送で使えるチェックリスト
- [ ] 追跡番号はハイフンなしの半角英数字
- [ ] 実際に使った配送会社をドロップダウンから選択
- [ ] 箱ごとに別の追跡番号を登録
- [ ] 配送会社へ渡した後、4時間以内に出荷通知
- [ ] 最初の受付スキャンが付いたか確認
- [ ] エラーがあれば、お届け予定日前に修正
よくある質問
95%ちょうどなら基準未満ですか?
Amazon公式の現行ヘルプは「95%未満」を対象にしています。そのため95%ちょうどは95%未満ではありません。ただし、1件の無効で下がる可能性があるため、実務では95%ぴったりを目標にせず、余裕を持って管理する方が安心です。
VTRがN/Aなのは悪い状態ですか?
必ずしも悪い状態ではありません。30日間の出品者出荷がすべて計算対象外だった場合などは、N/Aと表示されます。
追跡番号を入れたのに無効です
番号だけでなく、配送会社名、通知時刻、配送会社からAmazonへ届いたスキャンを確認します。配送会社のサイトで追跡できることと、AmazonのVTRで有効になることは同じではありません。
1,000円未満なら追跡番号は不要ですか?
VTRの計算対象外という意味です。Amazonが追跡できる配送会社の追跡可能なサービスを使う場合は、金額にかかわらず有効な追跡情報が必要です。
まとめ
追跡可能率(VTR)は、荷物が届いた割合ではありません。
日本の自己発送では、税抜1,000円以上・配送料込みの梱包について、Amazonが有効と確認できる追跡情報をどれだけ付けられたかを見る指標です。
数字が下がったら、次の順で確認します。
- VTRレポートで無効になった梱包を特定する
- 配送会社名とお問い合わせ伝票番号を照合する
- 出荷通知の時刻と配送会社のスキャンを確認する
- お届け予定日前に追跡情報を修正する
- 最大72時間待っても直らなければAmazonへ調査を依頼する
95%という数字だけを見るより、「どの梱包の、どの条件が無効だったか」まで追う方が、次の発送から同じミスを減らせます。
参考にしたAmazon公式情報
| 確認内容 | 公式ページ | 確認日 |
|---|---|---|
| 30日・カテゴリー別・95%未満、税抜1,000円以上、計算式、確認場所、レポート項目 | Amazonセラーセントラル|追跡可能率(VTR) | 2026年9月5日 |
| Invalid ID、無効になる原因、修正期限、72時間以内の反映、N/A | Amazonセラーセントラル|追跡可能率に関するよくある質問 | 2026年9月5日 |
| 複数梱包の登録、集荷後4時間以内、5分待って修正、追跡情報の検証 | Amazonセラーセントラル|出荷通知の送信方法 | 2026年9月5日 |
| 日本の計測対象が税抜2,000円以上から税抜1,000円以上へ変更された経緯 | Amazon公式ニュース|日本の出品者の追跡可能率の計測対象変更 | 2026年9月5日 |









